今回のコラムでは、感染症流行下の企業解散の実務操作と、企業解散に際して注意すべきリスクを研究し、検討していく。車衛東弁護士は、企業解散前の準備作業の経験を総括することによって、次のような注意点を提示している。
(一)総合的に要因を考慮する
企業が解散を決定するには、自社の経営状況、取引先との提携状況、社員への給与の支給及び社会保険積立金の購入状況など、多方面の要因を総合的に考慮し、企業のその後の発展状況を見て会社を直接抹消するか、それとも抹消後に他の地域で新たな会社を設立するかなどである。他の地域に移転する場合は、転入先の政策をしっかりと研究し転入の判断をする必要がある。
(二)慎重に抹消方法を選択する
現在、多くの外資企業は一般抹消方式を採用しているが、一定の条件を満たす場合簡易抹消方法を採用することが可能である。一般抹消と簡易抹消の違いは以下の通り
簡易抹消は一般的な抹消と比較し、以下の手順を簡略化している:商事登記機関は企業に清算人の登録と清算報告書の提出を要求しない。企業は新聞に抹消公告を発表する必要がなく、資料を提出した後商事登録機関を通じて商事主体登録及び許可承認信用情報公示プラットフォーム(以下、「信用情報公示プラットフォーム」)を通じて無料で抹消公告を発表し、公告期限は20 日間である。
公告期間満了後、企業は深セン市市場監督管理局の支局(企業登録時の工商登記部門)に抹消申請を提出することができる。
しかし、すべての外商投資有限責任会社が簡易抹消できるわけではない。簡易抹消申請は以下の条件を満たす必要がある。
1、登記抹消を申請する前に債権債務が発生していない/債権債務が清算済みである。
2、未清算の清算費用がない、従業員給与、社会保険費用、法定補償金と未納の税金及びその他完了していない事務が存在せず、清算作業が全て完了している。
3、登録抹消申請時に以下の状況が存在しない:国家が規定する参入特別管理措置に係わる外商投資企業。企業経営の異常名簿またはは重大な違法信用喪失企業リストに登録されている。持分(投資権益)に凍結もしくは動産への抵当などの状況が存在する。立件調査中、行政の強制措置、司法協力、行政処罰が課されるなどの状況がある場合。企業の所属する非法人分支機構が抹消登記をしていない場合、かつて簡易抹消手順を終了させられた場合。法律、行政法規或いは国務院が決定した規定で登録抹消前に批准を経る必要がある場合。簡易抹消が適用されないその他の状況がある企業。そのため、企業は本企業の具体的な状況に基づき、解散を決定する時には多方面の要素を総合的に考慮して、慎重に抹消方式を選ぶ必要がある。