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日本の投資家が中国で工場の賃貸借契約をする際の問題及びリスクについて -1

更新日:2021年9月17日

近年多くの日本投資家が中国に投資を行っているが、2020年1月1日『中華人民共和国外商投資法』の実施に伴い、中国の外商投資条件は更に緩和され、ますます多くの日本の投資家が中国に投資にすることになるだろう。以前担当したケースから工場の賃貸の過程の中で注意をすべき重要な問題に対して、発生しやすい問題とリスクを提示することにより日本の投資家が投資の過程においての法的リスクに対応し、軽減をできるようサポートをしたいと考えている。まずは中国で工場を賃貸する際に発生する問題について述べる。


一、賃貸人の属性、信用状況及び工場の所有権の帰属

工場を賃貸する際まず注意しなければならないのは賃貸人の属性である。国有主体、株式合作会社、会社法人または自然人かどうかに注意しなければならない。異なる属性に対しそれぞれ起こりやすい問題に注意する。


(一)賃貸人が国有である場合、国有不動産の不動産管理部門が賃貸契約の主体になることが多い。この際に賃借人が注意しなければならないのは、不動産管理部が既に賃貸の授権書を取得しているかどうかである。また賃貸料及び敷金を支払う際、賃借人は契約書を締結する際の主体と賃料の受け取りの主体が一致しているか特に注意しなければならない。もし一致しない場合は賃貸人に署名のある支払説明文書を提供するよう要求し、賃貸期間中に従業員がこの規則の弱点を利用し私利を図り、賃貸側の利益を損なうことを避ける必要がある。

例えば、深天成弁護士事務所の弁護士がサービスを提供する深セン市宝安区にある某企業のクライアントの場合、賃貸をする工場の所有権は国有であるが、工場の賃貸時に敷金の支払いが賃貸側の銀行口座ではなく、また有効な説明文書を取得していなかった。そのため貸出側の従業員がその職位と権利及び支払いの規則の弱点を利用し、敷金を自分のものにするなどしこのクライアントに重大な損失を与えてしまった。


(二)賃貸人が地域を一つの単位とした株式合作会社の場合、深センの現在の状況から見ると多くの不動産は財産権証書を所得しておらず、この不動産が会社の工商登記をする場合、実際の手続きにおいて何らかの支障を来す可能性がある。この時、賃借人は賃貸契約書で賃貸人がこの不動産は会社の工商登記を行う上で支障がないことを保証し、また関連する手続きの協力をするという内容が明記されているかを注意しなければならない。また賃貸人が転貸する不動産に対し、賃借人は慎重に選択をしなければならず、不動産の規定や政策を詳細に理解してから賃借をし、規定違反により賃貸契約が無効になることを防ぎ、損失を被らないようにしなければならない。例えば、深セン市宝安区は株式合作会社の転貸用途、転貸比率等に厳格な制限があり、株式合作会社の大口不動産転貸は産業科学技術園区、産業孵化器(インキュベーター)、文化創意園区または双創空間などの産業形態を計画建設するために使用しなければならない。面積が5000平方メートル未満の場合、賃借人が自分で使う不動産の面積は70%を超えなければならず、転貸不動産の面積は30%を超えてはいけない。

また、賃借人も上記第一条第(一)項の支払注意事項を参照して、契約を締結する主体と賃料の受け取りをする主体が一致するようにしなければならない。


(三)賃貸人が会社法人の場合、賃貸契約書にこの賃貸行為は会社の行為である(例:既に株主総会で決議されている/董事会で審議されている)ことが記載されていなければならず、問題が発生した場合、会社が負うべき法的責任を個人に追及することは難しい。


(四)賃貸人自然人である場合、賃借人の安定した持続可能性を考慮して、自然人が過去に多くの訴訟案件がなかったか、および被執行者または信用失墜被執行者ではないかを確認しなければならない。賃貸人自身の自己信用状況を判断し、将来的に賃貸人の道徳的な信用喪失による違約のリスクを事前に見積もるとともに、賃借後に執行のために賃貸契約終止となり賃借人に損失を与えることを防ぐ。

もし自然人の不動産が財産権の証明書を得ていない場合、不動産は収用、徴用、立ち退きとなるリスクがあり、賃貸リスクを予測することができないため、賃借人は慎重に考慮し、出来る限り賃借しないことをお勧めする。


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二、不動産の所有権の帰属を更に精査する 賃借人は工場の敷地の所有権の帰属の情報を確認し、賃貸人は工場の敷地の完全な処分権を持っているかどうかを判断しなければならない。もし賃貸人が建物の所有者である場合、賃借者は財産権証書の提供を要求しなければならない。もし賃貸人が非有権者である場合,貸与権がある証明書の発行を要求しなければならない。例えば賃借人が二次転貸をした不動産は、一次賃貸契約書の中で転貸を禁